Foto: Marlies Kross
菅尾 友
札幌生まれ。幼少期をアメリカ、オランダ、ドイツ等で過ごし、4歳からバイオリンを始める。アメリカ・ミシガン州の選抜オーケストラでコンサートマスターを務めた他、故・山本直純氏らが指導したジュニア・フィルハーモニック・オーケストラや、アジア・ユース・オーケストラのヨーロッパ・ツアーに参加。後者では、ベルリン・コンツェルトハウスや、アムステルダム・コンセルトヘボウ等をツアーし、セルジュ・コミッショーナ氏の指揮のもと、チェロのミッシャ・マイスキー、トランペットのホーカン・ハーデンベルガーやピアノのレオン・フライシャー各氏と共演。
18歳でオペラの演出活動を開始した後、ニナガワ・カンパニー・ダッシュ、東京・新国立劇場、ベルリン・コーミッシェ・オーパー演出スタッフを務める。アンドレアス・ホモキ、ヨーゼフ・ケップリンガー、デイヴィッド・パウントニー、ジョナサン・ミラー、フィリップ・アルロー、ハンス・ペーター・レーマン、マルコ・アルトゥーロ・マレッリ、エミリオ・サージ、グリシャ・アサガロフ、ベルント・ヴァイクル、ハインツ・ツェドニック、マティアス・フォン・シュテークマン、セバスティアン・バウムガルテン、ベネディクト・フォン・ペーター、栗山民也、野田秀樹、中村敬一、岩田達宗、松本重孝、宮本亜門、蜷川幸雄、田尾下哲の各氏らのアシスタントや再演演出を務めた後、現在は演出家としてザールブリュッケン、ドルトムント、ヴュルツブルク、コトブス、エアフルト、ビーレフェルト、ノルトハウゼン、ケルン、チューリヒ、ルツェルン、ザルツブルク、オスロ、プラハ、ルクセンブルク、台北、香港、びわ湖、兵庫、堺、東京(日生劇場、東京二期会他)等の劇場・フェスティバルにおいて活動中。
これまでに『神々の黄昏』(ヴァーグナー)、『ばらの騎士』(リヒャルト・シュトラウス)、『魔笛』『イドメネオ』『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』『後宮からの誘拐』(モーツァルト)、『三つのオレンジへの恋』(プロコフィエフ)、『子供と魔法』(ラヴェル)、『ジューリオ・チェーザレ』(ヘンデル)、『ノルマ』(ベリーニ)、『ドン・キホーテ』(マスネ)、『魔弾の射手』(ヴェーバー)、『サルタン王の物語』(リムスキー=コルサコフ)、『ユグノー教徒』(マイアベーア)、『ニクソン・イン・チャイナ』(ジョン・アダムズ)、『蝶々夫人』『トゥーランドット』(プッチーニ)、『ファウスト』(グノー)、『イル・トロヴァトーレ』(ヴェルディ)、『オルレアンの乙女』(チャイコフスキー)、『ロジェ王』(シマノフスキ)、『月の世界』(ハイドン)、『黒船』(山田耕筰、ヨーロッパ初演)、『鬼戀』(陳慶恩、世界初演)、『梧桐雨』(陳玫琪、世界初演)等のオペラ、『屋根の上のバイオリン弾き』『イェーダーマン』等のミュージカル、『夏の夜の夢』『ハムレット』『ロミオとジュリエット』(シェイクスピア)等の舞台を演出。
子ども・家族向け舞台の創造も活動の大きな軸と捉え、これまでに『ゴールド!』(レオナルド・エヴァース作曲、ルクセンブルク初演及び日本初演)、『バウムガイスト』(レオナルド・エヴァース、世界初演)、『桃太郎』(マリウス・フェリックス・ランゲ、世界初演)、 『アトランティス・コード』(フランク・シュヴェマー、世界初演)、『烏龍功夫』(陳慶恩、世界初演)などの上演にも取り組んでいる。ザルツブルク音楽祭の委嘱により『魔笛』を子ども向けにアレンジ・演出した舞台は、邦訳版を『まほうのふえ〜パミーナ姫の誕生日』として日本でも上演している。
国際基督教大学卒業。2008年文化庁新進芸術家海外留学制度派遣生、09年ヴァーグナー国際財団奨学生、13年五島記念文化賞新人賞。
2018年ドイツ・ヴュルツブルク歌劇場にて演出した『ニクソン・イン・チャイナ』が、バイエルン放送 (Bayerischer Rundfunk / BR) が発表する "年間ベスト10プロダクション" に、また2019年の『神々の黄昏』が同BR“最優秀オペラ演出—バイエルン州特選3作品"に選出されている。
2022年12月より、ドイツ・コトブス州立劇場の首席演出家、及びオペラ部門の監督代理を務めている。